「里穂、買い物行くか?」


「うん、行く。支度するから待って」


ドイツについて3日、私たちはようやく落ち着いた生活を送っていた。


これから住むアパートは、今まで修斗が暮らしていたアパート。


元々ファミリータイプの部屋だったし、ボアシルの練習場にも近いから、わざわざ新しいところに住み替える必要はないかなって思って。


それでも二人暮らしをするにはいろいろ買う物があって、私たちは買出しに走っていた。


「大きいものは大体買ったよね」


「そうだな」


食器類は昨日買いに行ったし、家具も昨日宅配をお願いしたから明日届く予定。


「もうあんまり買うものないね」


「なんか気づいたらまた買いに行けばいいよ。とりあえず、今日は食料の買い出しだな」


「うん」


ドイツに着いてから今まで、外食で済ませてしまっていたから、今日からは自炊をしたい。


その方が落ち着て食べられるし、栄養バランスを整えた食事も作れるしね。


修斗の運転する車で、スーパーに向かう。