「先シーズンは途中加入ではありましたが、レギュラーに定着しましたね。今シーズンに向けてはどうでしょうか？」


インタビュアーが、修斗に質問する。


「今シーズンもレギュラーで出れる保証はありませんし、まずは来週から始まる合宿でしっかり体を作ってアピールしたいと思います。怪我なく、シーズンに入りたいと思っています」


「プライベートではご結婚をされたとチームから発表がありましたが、お相手はどんな方でしょう？」


「一般の方ですので、詳しいことは控えさせていただきますが……」


そう切り出した修斗に、マスコミの視線が集中する。


いつの間にか周りを見回せば、たくさんの人が集まっていた。


「小さいころから一緒の、幼なじみです。嬉しいときも、苦しいときも、常に傍で支えてもらいました。今後は夫婦として、お互いを支えあっていきたいと思っています」


「それでは、ファンの皆さんに一言お願いします」


「はい。今シーズンも一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします」


「ありがとうございました」


インタビュアーが修斗にお礼を言ったところで、インタビューは終わった。


マイクやカメラを片づけたマスコミの人と、修斗が笑顔でいくつか会話を交わす。


そのマスコミの人たちが散らばっていったあと、何人か修斗にサインを求める人がいた。


サインや握手を求める人に丁寧に答え、それが落ち着いたところで私のところに戻ってきた。