「面倒見るって……。私、子供じゃないんだけど」


ムッとして修斗に文句を言うと、「バーカ」と言われて頭を軽く小突かれた。


「里穂ちゃん。面倒見るってね、修斗がしっかり稼いで、里穂ちゃんを路頭に迷わせないようにすること」


そう言ってニッコリと笑った修斗のお母さんは、車を発進させた。


空港に着いて、修斗が車から荷物を下ろす。


「里穂ちゃんのお父さんとお母さんは、今日はお仕事?」


「うん。だから昨日、ちゃんといってきますって言ってきたよ」


「そっか。寂しくなったら一人でも帰っておいでね」


そう言ってお義母さんが私を抱きしめる。


「うん、いってきますお義母さん」


「いってらっしゃい。修斗もね」


「実の息子の俺はついでか?」


修斗が苦笑いを浮かべる。


「ここまでありがと。次に本格的に帰って来れそうなのは、冬になると思う」


「分かった。怪我には気を付けてね」