「あれ、早かったね」


リビングで掃除機をかけていたお母さんが、私たちを見て掃除機を止めた。


「これ、買ってきたよ、お義母さんの分。冷蔵庫入れておく?」


修斗がおばさんではなくお義母さんと呼んだことに、お母さんは少し驚いた表情を見せる。


それでもすぐに、修斗のお母さんと同じように、嬉しそうに顔をほころばせた。


「ありがとう、修斗君」


「うん」


恥ずかしいのか、ちょっとうつむきながら返事をする修斗。


そんな修斗の腕にギュッと抱きついて、冷蔵庫にお母さんの分をしまい、私の部屋に向かった。


二人でベッドに座ってふ~と息を吐く。


「緊張した」


「俺も」


「でも、なんか嬉しかった」


「ああ、嬉しかった」


そして顔を見合わせて、笑い合った。