このまま修斗がドイツにいることになれば、私もドイツに渡ってこっちで生活すること。


そして結婚式は、二人での生活が落ち着いたら、今まで私たちにかかわってくれた人たちに感謝の気持ちも込めて、日本でちゃんと挙げること。


この4つを決めて、昨日の夜私たちは眠りについた。


「そろそろ時間だな」


修斗が腕時計を見て、そう呟く。


「ほら。搭乗口まで一緒に行くから」


「うん」


修斗が差し出した手を握って、ゆっくりと搭乗口まで歩いていく。


「ドイツ語、少しは勉強しておくね」


「ああ」


「浮気はダメだよ」


「するかよ。俺はサッカーと里穂で手一杯だ」


そう言って笑った修斗。


最後にもう一度修斗に抱きつくと、ちょっとだけ抱きしめ返してくれた。


こうして私のドイツ5日間の旅は、無事に終えることが出来た。