翌朝、修斗より早起きをした私は、これから試合がある修斗のためにしっかりと朝ご飯を作った。


それを「おいしい」と言って食べてくれた修斗。


「じゃあ、俺行くけど、気をつけて来いよ」


「分かった」


家を出る時間になった修斗を、玄関まで見送る。


「そのチケット、関係者しか入れないところのやつだから大丈夫だと思うけど。日本と違って、こっちのサポーターすごいから」


試合前だというのに、相変わらず修斗は私の心配。


「もう、私は大丈夫だよ」


「とりあえず、スタジアムまでの行き方はメモしたから、それ持ってけよ。あとは、スタジアムで席が分からなかったら、スタッフに聞くこと。案内してくれるから」


「はーい」


適当に返事をすると、頭を小突かれた。


「たく、こっちは本気で心配してんのに」


「大丈夫だって。早く行かないと遅刻するよ?」


「じゃあ、いってくる」


「いってらっしゃい、修斗」