そう言って、修斗に抱き付く。


「おかえり。よく無事に帰ってこれたな。迷って帰れないって、連絡来るかと思ってた」


笑いながら修斗が、私の頭をポンポンと叩く。


「もう、また人を子ども扱いして!」


「悪い悪い。でもお前、修学旅行のとき迷ったからさ。日本で迷ったやつが海外で迷わないわけないじゃん?」


「私もいろいろと強くなったんです~」


「はいはい」


修斗の方に腰をクっと引き寄せられて玄関の中に私を入れ、修斗は玄関のドアを閉める。


「とりあえず、夕ご飯と明日の朝ご飯の買い物行くけど、里穂も行くか?」


「うん」


そう返事をすると、修斗はいったんリビングに戻って鞄を持ってくる。


「なあ、里穂」


「ん?」


「なんか日本食作って」


そしてどこか照れたような顔をしながら、私にそう言ってきた。