昨年から修斗はFCウイングの寮を出て、FCウイングのスタジアムから車で15分くらいのマンションで一人暮らしをしている。


２LDKのマンションで一人だから結構広いんだけど、サッカーの道具とかトレーニングマシーンとかあって、空いてる部屋はないんだよね。


マンションに着いて駐車場に車を置き、修斗に貰った合鍵でオートロックを解除して中に入る。


エレベーターで修斗の部屋がある５階に上がり、部屋のチャイムを押した。


すぐにドアが開き、ジャージ姿の修斗が顔を出す。


「自分で鍵開けて入ってくればいいだろ」


「うーん、そうなんだけど。まだ慣れないんだもん」


なんか、合鍵を使って部屋に入るって、照れちゃうっていうか、ちょっと恥ずかしいんだよね。


玄関に入って、パンプスを脱ぐ。


「ふう」


それだけで、１日の疲れから少しだけ解放された気がした。


「疲れた」


そうポツリと呟くと、修斗が頭をなでてくれる。


修斗に手を取られて、リビングに向かう。


まだ修斗はご飯の途中だったらしく、テーブルの上には様々な種類のおかずが並んでいた。