じわ~っと肉汁が口の中に広がり、思わず笑顔になってしまった。


「うまいか?」


「うん」


私の返事に満足したのか、修斗も食事を始める。


「で?どこに行きたいんだ?」


「えっとね……」


メモしてきた手帳を、修斗に見せる。


「ケルン大聖堂とチョコレート博物館?まあここからケルンなら、ここからそんなに遠くないけど……」


「ねっ、大丈夫でしょ?ちゃんと電車の切符の買い方も調べてきたし」


「いや、里穂の場合、ちゃんと電車に乗れても、そのあとがたどり着けないだろ」


「また人を馬鹿にして」


そんなことを話ながら食事をしていると、いつの間にかデザートに。


甘く煮たリンゴをしっとりとしたパイ生地で巻いて出来た、アプフェルシュトルーデルというお菓子。


「おいしそう」


お皿には生クリームが添えられていて、それをつけて食べるととっても美味しかった。