顔を赤くしながらも、珍しく素直に修斗が答えてくれる。


「てか、ここまで来るのに時間かかったな。ちゃんとここまでの道順とカフェの看板の写真送っただろ?まさか、迷った?」


「ちょっと……。うーん、かなり?迷った」


そう言うと、かなり大げさに修斗はため息をついた。


「やっぱり。もっと近くまで迎えに行けばよかった」


「大丈夫だよ。ちゃんとたどり着けたでしょ?」


「そういう問題じゃない。ここは海外だから危ないだろ」


コツンと頭を軽く叩かれる。


「まあ、いいや。行くぞ」


そう言って修斗は、私のキャリーバッグを持ち、空いた手を差し出す。


その手を握って、ゆっくりと歩き出した。


「なんか、変な感じ。日本を12時に出てきて12時間も飛行機に乗ってたのに、こっちに着いたらまだ16時なんだもん」


「8時間時差があるからな」


「今日は練習終わったの?」


「ああ。1時間くらい前にな」