あのデビュー戦以来、修斗は毎回試合に出て得点を決めることもあったけど、まだ先発は勝ち取れていなかった。


先発で出れなくて悔しいけど、でも楽しいって言ってるから、それなりに充実した生活を送ってるんだと思う。


飛行機が飛び立ち、目を閉じる。


修斗に会えるのを楽しみに、そのまま眠りに落ちてしまった。


「やっと着いた」


飛行機の旅は、なかなか快適だった。


機内食も美味しかったし、CAさんも親切だったし。


入国審査を通過して、荷物を受け取る。


「えっと、修斗はどこかな?」


スマホを取り出して、修斗が待ち合わせ場所として指定して写真を送ってくれたものを見ながら、ガラガラとキャリーバッグを引きずって歩き出す。


「あれかな?」


修斗が送ってくれた写真と、目の前に見えてきたカフェの看板を見比べる。


「ここだ!」


かなり迷ったけど、なんとかたどり着けたみたいで、ホッと息をついた。


カフェの近くまで行って、修斗の姿を探す。