「やった~」


そのホイッスルと同時に、ホットカーペットの上に寝っ転がる。


「メール!」


でもすぐに起き上って、スマホで修斗におめでとうのメールを打つ。


そしてテレビで試合のハイライトまでしっかりと見てから、部屋に戻ってベッドに潜り込んだ。


「ふふっ」


試合に興奮してか、なかなか寝付けない。


その日やっと眠りに落ちたのは、明け方の5時過ぎだった。


「んっ」


寝たような寝ていないような感覚で目が覚めたのは、お昼の12時前。


スマホを手に取ると、修斗からメールが来ていた。


『とりあえず、今日の結果には満足してる。でも次は先発で出て、結果を残したい。夜中なのに見てくれてありがとな、里穂』


『見るに決まってるよ、修斗。こっちこそ、楽しい試合をありがとう』


そう打って、スマホをギュッと抱きしめる。


修斗のドイツでの戦いは、最高の形で幕を開けた。