そのメールを見て、思わずクスッと笑ってしまう。


今ドイツのサッカーリーグは冬休みに入っていて、これから徐々にトレーニングが再開されるそう。


トレーニングが再開されたら、きっと修斗の様子もテレビで映されると思うと、楽しみでしょうがない。


でも修斗のシーズンが始まったら、こんな風にメールをする時間が減ってしまう。


だから今のうちにいっぱいメールをしようと思って、その日は眠りにつくまで修斗とメールをやり取りした。


それから数日後、初めて一人で子供たちの前で食育の授業をすることになった。


内容は、「春の七草」について。


川島さんがいたことは補助的にこの仕事をしていたんだけど、一人になった今は私が先生。


「はあ、緊張する」


相手が園児とはいえ、一人でするってことにかなり緊張して、教室に入る前に何度も深呼吸をしてしまう。


もともと人前で話すことがあまり得意ではない私。


話し始めてしまえば大丈夫なんだけど、そこにたどり着くまでのこの緊張感が嫌でしょうがない。


「伊藤さん。子供たちの準備出来たから、お願いしてもいい?」


「あっはい」


廊下で待っていると、保育士の先生が声をかけてくれた。