「僕と、結婚してくれませんか?」


「はい。喜んで」


幼い、私たちの夢。


そして高校時代、二人で誓い合った、二人じゃないと叶えられない夢。


修斗が指輪を、私の左薬指にはめてくれる。


その指輪を見て、二人で微笑み合った。


「ありがとう、修斗。すっごく嬉しい!」


「俺も」


これから少しだけ離れ離れになるけど、私たちなら大丈夫。


離れるからこそ、お互いを信じて、支え合っていこう。


『お客様にご連絡いたします。ドイツ……』


どこからか、修斗が乗る飛行機のアナウンスが聞こえてくる。


「行かないと、だね」


「ああ」


修斗が私の手を、痛いくらいにギュッと握る。