「これ、私だと思って持ってって?お願い、修斗。修斗の傍に、私のなにか、置いておいて欲しい」


「でも、これを家に置くのは……」


「ダメ?恥ずかしい?」


修斗の前に、ズッとテディベアを差し出す。


「分かった、分かった。そこのキャリーバッグ、まだ入ると思うから」


「ありがとう!修斗」


嬉しくなって、ピョンっとベッドを飛び下りる。


「床、滑るぞ」


「これくらい大丈夫です~」


部屋に置いてあるキャリーバッグを広げて、この子が入るスペースを作る。


「部屋に着いたら、すぐに出してあげてね」


「ああ」


キャリーバッグをゴソゴソとあさる私を、修斗が背中から抱きしめる。


「里穂、今日泊まってく?」


「うん。おばさんも、泊まってっていいよって言ってた」