「修斗~」


もう一度声を張り上げ、修斗の名前を呼ぶ。


そのとき、私の声が聞こえたかどうかは分からないけど、修斗が私のいる方を見て拳を高く突き上げた。


「修斗……」


周りには、「修斗と目が合った」と騒いでいる女の子たち。


でもきっと今のは、私に向かって手を挙げてくれたんだよね。


そう思っていいよね、修斗!


その後、優勝セレモニーが行われて、監督や選手にインタビューが回ってくる。


そして最後に、修斗にインタビューが回ってきた。


「では、高木修斗選手にお話を伺います。まずは、優勝おめでとうごいます。どんな気分ですか?」


インタビュアーが、修斗にマイクを向ける。


「最高に嬉しいです。応援してくださったファンの方、本当にありがとうございました。その応援がなかったら、優勝できなかったと思います」


「今シーズン、高木選手は絶好調でしたね。何がよかったのでしょうか?」


「まずは、1年間怪我なくプレー出来たこと。体のコンディションを上手く保てたことが、好調の要因だったと思います」


そう言って修斗が、肩にかけたタオルで汗を拭う。