「いただきます」


お互いに食べ始めると、今度は麻衣子ちゃんの携帯が鳴る。


「ごめんね」


そう言った麻衣子ちゃんは、電話に出た。


「……うん。分かってる。……うん。いってらっしゃい」


最後にそう言うと、麻衣子ちゃんは電話を切った。


「彼氏?」


「うん。今から出勤するから、電話かけてきた」


「ラブラブだね」


「違うよ~ちゃんと鍵閉めろとか、そんな話だけだもん」


麻衣子ちゃんが、パクッとオムライスを食べる。


「でも、それだけ麻衣子ちゃんのこと大切ってことでしょ?」


「まあ。でもちょっと、子供扱いされてる感があるんだよね」


「5歳も離れてたらそうなるんじゃない?嫌じゃないんでしょ?」


「うん。甘いさせてくれるし、束縛はないし。一緒にいて楽だし」