最近、よく話す私たち。

「ねぇねぇ」

「ん?」

「最近どーなの?」

「どおって?」

「リョウくん!」

「別に?」

「えーだってすっごい仲いいじゃん」

「そう?」

「それにユイ、最近彼氏つくらないし」

「…」

「リョウくんの事好きなの?」

「好きじゃないよ!」

「なーんだ」

「サキは、どーなのよ?」

「うちは、…いるよ。」

「それ初耳!だれ?」

「えっと、ユイのクラスの人」


それから詳しくサキの恋バナを聞いた。

初めて聞いた。

それよりもサキにリョウくんの話をされてから私は、リョウくんを考えてばっかりだ。



それからサキは、告白した。

付き合うことになったらしい。



私は、相変わらずだ。

私が付き合ってない時に彼は付き合っている。

そして、私が付き合っている時に彼は付き合ってない。

まるで逆だった。

だから余計に相談しやすかった。

リョウくんとは、ふざけあう仲になった。

シャーペンを取り合ったり、お菓子をあげたり。

一緒にサッカーをしたり。



「おい!」

「なに?」

「今日、ちょっといい?」

「放課後?」

「うん」

「わかった」


なんだろう?と思いながら放課後になった。

部活も終わり彼のところへ行くと彼はまだサッカーをしている。

「おーい」

「ちょっとこっちきて」

「もぉー」

「これ」

「これを?」

「蹴って」

「は?」

渡してきたのはサッカーボールだった。

「ちょっと練習に付き合って」

「こんなんで練習になるの?」

「1人でやるよりはな」

「はいはい、いくよー」

「お前、下手すぎ」

「えぇーうまいじゃん」


そんな会話をしながらボールを蹴り合っていた。


「今日はありがとうな。」

「どーいたしまして」

「ほんとに助かった」

「なんかあったの?」

「彼女と別れたんだ」

「また他の子と付き合ってたんだ。モテるねー」

「お前ほどじゃねーよ」

「私は、遊びで付き合うとかやめたの」

「え?好きなやつでもできたの」

「いや、そーじゃないけど」

「そっか」

「またすぐ彼女できるよ」

「おぉーさんきゅ」


私は、心のどこかで嬉しかった。

別れたこと。今日、サッカーができたこと。

だけど本当は、告白かな?なんて期待もした。

そんな自分が恥ずかしかった。