そんな毎日にある変化が起きた。
学校でのサマーキャンプだ。

「みゆき、カレーのジャガイモ皮むきお願い。」
「うん。」

「りえこ、野菜洗いお願い。」

「わかった」

「平野くんタマネギお願い。」

「了解。」

「持川くんお皿お願い。」
「ああ。」

私の指示通りに皆が動いてくれて。
上手くカレー作りが出来ている。
中野君は、班長会議で
調理場にはいなかった。中野君が戻ったら、ビックリする位の美味しいカレーを作りたいと私は頑張って作業した。

サラダのキュウリをトントンと刻んでいると中野くんが帰ってきた。

「知花、上手いな」

中野君がそう言ってきた。

「音だけだよ…。」

私は照れくさくて、そう言いながら笑った。

「そうかな?」
それだけ言うと中野君は黙って私がキュウリを刻むのを見ていた。