「私は読んだことがありませんが」
と、前置きし、青乃臣が説明する。
「ヴァンパイアに関する小説は、世界各地にあ るそうです。
人々が物語の創作に携わる過程で、ヴァンパイ アなる種族にそういった設定が加えられたので しょう。
未来様が睡眠時間を削ってまでエルク様のこと を調べて下さったこと、私は非常に嬉しく思い ます」
「そう……。でも、ちょっとガッカリ。
エルクが変なことしたら、ニンニクたっぷり入 ったギョウザ投げつけてやろうと思ってたのに 」
「あははは。未来様の思考は面白みに溢れていますね」
声をあげて、青乃臣は笑う。
「たしかに、エルク様がニンニクを苦手として いたら、その罰は効果絶大でしょう」
未来も青乃臣のそばに行き、窓ガラスを透ける 月光を顔に浴びた。
「アンタはホント、エルクのことばっかり考え てるんだね。
ドーナツだって、エルクと私を仲良くさせるた めに作ったんでしょ?」
未来はイタズラっコのような顔で青乃臣の顔を 覗き込む。


