青乃臣は未来を一瞥(いちべつ)し、
「ヴァンパイアをモチーフに創作された小説で すか。
興味深いですね。
何かお分かりになりましたか?」
「青乃臣が話してくれた通り、ヴァンパイアは 日光が弱点なんだって。
あと、ニンニクと十字架が苦手って書いてあっ た。
青乃臣。ニンニク料理は作らないようにね」
「はい、了解しました。と、言いたいところなのですが」
立ち止まり、青乃臣は窓辺に立って外を見た。
月明かりが、暗い廊下を照らし、二人の足元に 長い影を作る。
青乃臣は窓枠に片手を沿え、同じく歩を止めた 未来を見遣った。
「ご安心ください。
エルク様の弱点は日光だけです。
ニンニクを食べたり十字架を見ても、エルク様 がひるむことはございません」
「そうなのっ!?眠いの我慢してまで調べたっていうのにぃ」
未来は悔しそうにため息をついた。
調べ物は無駄に終わってしまったのである。


