異世界人2人は、身元を明かすような証拠品を 何ひとつ持っていない。
けれど、未来は信じていた。
彼らが異世界の人間であると。
“異文化コミュニケーション、的な?
アイツらの思考、今までに会ったどの人とも違 ってたし……”
未来は、エルクのことを知りたかったのである 。
本人にあれこれ尋ねるられるほど、まだ、お互 いを知らない。
知らないからこそ質問した方がいいのかもしれ ないが、未来にはそこまでの度胸がなかった。
ウソでやり過ごす日常に慣れ過ぎてしまい、ど うしたら他人とホンモノの友情を築けるのかが 分からなくなっている、というのが正しい。
彼女が青乃臣のドーナツをキッカケに彼らに気 を許したのは紛れもない事実だが、それだけで はない。
“アイツは、ありのままの私を見ても避けたり しなかった”
エルクの態度に、未来は意表を突かれた。
マグカップの件で怒り散らした後も、エルクと は気まずくならなかった。
クラスの女友達相手に同じことをしていたら、 こんなに丸くは収まらなかっただろう。
“普通、あんなことがあったらすぐ出て行くよ ね。
探せば、住む場所なんて他にいくらでも見つけ られるはずだし。
なのに、エルクはこんな私と仲良くなろうとし てた。青乃臣だって、そう……”


