ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


食後、自室に戻った未来は、思い出したかのよ うに浴室に向かい入浴を済ませると、父親の書 庫に足を向けた。

調べたいことがあったのだ。


夜間用の間接照明しかない長い廊下の途中、ダ イニングの横を通り過ぎたが、エルク達の姿は もうなかった。

小型の頼りない明かりが、暗がりのダイニング をオレンジ色に照らしている。

慣れたはずのよく知る空間が、やや不気味に感 じた。

油断したら幽霊に出くわしそうな雰囲気すらあ る。

未来は首を左右に激しく振り、

“気のせい気のせい!”

異世界人に出くわして以来、幽霊も架空のもの に思えなくなった彼女であった。

“幽霊は存在しないって、科学的に証明されて るじゃんっ。

ビビるな私!

アイツらが異世界人なんだって証拠もないんだ しっ”

小心を奮い起こすべく、心の中でアレコレ言い 訳をしてみる。


茶色い床に足音が小さく響く。

ひんやりした室内を早足で横切り、未来は一階 の角部屋に入った。

戸口付近のスイッチを押すと、室内は白い光に 満たされる。

闇に埋もれていた複数の本が、明るさで一瞬の うちに未来の視界を占めた。