ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


「なんだか、戦時中の軍隊のような心理ですね 」

青乃臣は無表情で、かつ穏やかに感想を告げる 。

「ふふっ。軍隊か。そうかもね。一人でも《定番》から外れたら、その人は笑い 者にされ、異端者扱いされる……。

ちなみに、その時みんなは、ハンバーグとかカ レーライスとかオムライスって書いてた。いかにも子供が好きそうなモンばっかり。

私だって、オムライスやカレーは普通に好きだ けど、柿ほどじゃなかった。

最悪なことに、『柿やミカンなんてババくさい しオシャレじゃない』って言われたよ。

私は誰に何と言われようと柿とミカンが大好き だったから、腹立ちまぎれに言い返してやった けどね」

ふう、と、軽やかに息を吐き、未来は片手の甲 で頬杖をついた。

「ムカついて、その日の夜はぜんっぜん!眠れ なかったよ。

みんな、おじいちゃんの作った柿食べたことな いクセに!ってさ。

バカにしたヤツらには気が済むまで言い返して やったっていうのに、家に帰ってもモヤモヤし たままで。

自分の意見をバカにされたことがショックだっ たんだよね。

……それ以来、私は学校で本音を言うのはやめ たの。

ウソつくのはいけないことだって分かってる。

でも、やっぱり、周りに笑われたり『変なコ』 って目で見られるくらいなら、ウソで武装した 方がマシ。

ウソ発言を否定されたって、全然傷つかないし ねっ」

しんみりした空気を変えるように明るく言い、 未来は席を立った。