ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


食後のお茶を飲む頃になっても、エルク は未来に対しドキドキ感を抑えられな かった。

胸の鼓動をごまかすべく、彼は未来を見 てこんなことを口にした。

「そういえば、お前って、学校と家で態 度やしゃべり方違うよな。

何で、わざわざそんなめんどくせぇこと してんだよ」

「なんで知ってんの…!?」

未来はまじまじとエルクの顔を見つめ た。

彼女は、昼間エルク達が学校に来たこと を知らない。

青乃臣がとっさに、言い訳をした。

「ラークリマ探しの手がかりを探すた め、私達は昼間、未来様の学校に様子を 見に行かせていただきました。

廊下を通った際、偶然、未来様の教室を 見かけたのです」

「そうだったっけ?」

首をかしげるエルクの口を背後から両手 でふさぎ、青乃臣は彼の耳元で小さくさ さやいた。

「エルク様……! 未来様は非常に繊細 なお方です。

私達が透明人間になって彼女の日常をの ぞき見していたと知られたら、気分を害 してしまう恐れがありますっ…!」

「わはっは! わはっははら、はらへっ へ!!(わかった!わかったから、離 せって!)」

何事もなかったかのようにエルクの口を 解放し、青乃臣は平然と言葉を足した。

「エルク様は、未来様のことを大変心配 しておられましたよ。

特に、未来様が好意を寄せてみえる男性 の話題を耳にしてしまった時は、も う……」