「とにかく、この星でするべきことはた だひとつ。
一刻も早く、ラークリマを探してクロロ プラスト王国に帰還することです。
のんびりはしていられません」
青乃臣の物言いに、乗り気でなかったエ ルクも納得するしかなかった。
「ラークリマが無くなって、俺様の国が ヤバい状態になってるのは分かった。
でもさ、探すったって、アテはあんの?
むだ足に終わるのは嫌だぜ」
「ラークリマは、地球上の《女性》に分 類される生命体が保持している、という 情報があります。
探せば、すぐにでも入手できるはずで す。
ラークリマは天然石。
日本のラークリマとなると、色や形は 我々の国にあった物と多少違うかもしれ ませんが、問題ありません。
女性を探しましょう」
「女性!?
なんだ? それは」
エルクは、初めて聞く単語に戸惑う。
青乃臣は、持参していたアタッシュケー スの中から分厚い魔導書を開き、
「女性とは、我々の星・スアンで言うと ころの《ビーナス》です」


