ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


すぐさま青乃臣が立ち上がり、

「大丈夫ですか?いますぐ、代わりの物 をお持ちいたします」

「いや、いい。自分で持ってくる」

エルクの自主的行動。彼は落とした フォークを拾い、スタスタとした足取り でシンクに持っていった。

青乃臣は爽やかな微笑を浮かべ、

「承知いたしました。ありがとうござい ます。

未来様も、今後、食事に関するリクエス トがありましたら、何なりとお申しつけ 下さいね」

「うん。何かあったら言うよ」

普通の友達のように会話する、未来達。


その後もエルクは、未来に対して妙な感 覚を覚えていた。

ついさっきまで、彼女の顔を見ると腹が 立ったり、気持ちが引いたり、『こいつ を笑わせねば!』と変な使命感を覚えた りしていた。

なのに今は、どういうわけか、彼女の食 事姿を見ると心が和む。

“なんなんだよ、これ。

未来と俺様は、無意識のうちにソウルメ イト独特の電波でも送受信しあってるっ ていうのか……?

にしては、未来は何ともなさそうだし、 んー……。

よく分かんねぇし、ま、いっか”