他人のことには干渉しない主義。

未来のことに関してはなおさら、そうい う心構えでいようと決めていた青乃臣も、 さすがに驚きを隠せず、こう言わずには いられなかった。

「未来様。お世辞にも、栄養状態が良い とは言えませんね。

成人の方ならともかく、未来様はこれか ら成長期をお迎えになる身……。

これまで、午前中に集中力が欠けたり、 ささいなことに腹が立ったりしませんで したか?」

「イライラなら、学校でしょっちゅうし てるけど。

そうだなぁ……。朝は特に、ひどかった かも。

テスト期間中もそう。

前の日ちゃんと予習復習してたのに、午 前中にやった試験は、必ずといっていい ほどつまらないミスして悔し涙が出そう だったもん」

「やはりそうでしたか……。

朝食を抜くと、午前中の勉強効率は悪く なりますし、朝食を食べる人に比べイラ イラしやすくなります。

集中力も欠け、せっかく家で勉強してい ても、思う存分、実力を発揮できませ ん。

これからは、私が責任を持って朝食を作 らせていただきますね」

「ふーん、そうなんだ。じゃあ、お願 い」

こうして青乃臣の手料理を食べている と、未来は、これまでの生活が色あせる のを感じた。