ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


「昔、おじいちゃんに聞いたことがあ る。

ヴァンパイアって、若い女の血を吸わな きゃ死ぬんでしょ?だから、手当たり次 第、人間の女を襲うって……!」

未来は真っ青になった。自分がエルクの ターゲットになり、血を吸われてしまう かもしれない……!

これまで、稔の話を右から左に聞き流し てきた未来も、異世界人と同居すること になってしまった現在、青乃臣の話を信 じざるをえなかった。

それだけではない。

自分がウソつきだからこそ、彼女は同類 の人間を見分ける自信がある。

その観点で言うと、青乃臣は正直者の目 をしていた。

こわくなるほど、エルクに対して忠実な 雰囲気。

エルクのためなら何でもしてしまいそう な、従順執事。


「不安にさせてしまいましたね。

大変申し訳ありません」

震える未来に頭を下げ、青乃臣は言っ た。

「未来様のおっしゃる通りです。

《ヴァンパイア》は、若い人間女性の血 を吸って生き延びる種族。

エルク様のご先祖様も、そうだったのか もしれません。

ですが、エルク様は違います。

エルク様は、人の血を吸わずに普通の食 事をするだけで生きていけますし、仮に 血を吸うとしても、それは、若い女性の ものである必要はありません。

対象の年齢も関係ありませんし、男性の 血でも大丈夫なのですよ。

極端なことを申し上げますと、エルク様 は、高齢者様の血液を吸って生命を保つ ことも可能なのです」

「そう、なの……?」