勢いをつけて、エルクは机から降り、床 に着地した。

「いいのか? 未来のために、そんな時 間の無駄遣いしてさ。

ラークリマの入手が遅れるだろ?」

「私達は、この惑星に来てわずか数日。

ラークリマのキーになる《女性》につい て、ほとんど何もつかめていません。


幸い、稔さまは私達が異世界人だと信じ て下さいました。

他の人々に協力を頼むことも考えました が、私達の存在をファンタジーと決め付 ける人が多いのは厄介……効率が悪すぎ ます。

だったら、未来様に協力していただくの が最短の方法。

そう判断いたしました」

「そっか。お前が判断したなら、悪いよ うにはならないよな!

ラークリマ探しのためにも、未来と仲良 くなって、さっさとアムド城に帰る ぜ!」

「そうと決まれば、まず、しなくてはな らないことがありますね」


学校を出た二人は、透明人間魔術を解除 して元の姿に戻り、未来のために新しい マグカップを買いに行った。

エルクの割ってしまったマグカップは限 定品ということで、もう購入はできな かった。

しかし、同じキャラクターの通常商品な ら、手に入れることができたのである。











【3 未来の日常 エルクの想い…終】