ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


地球に来て、初めての雨天。

晴れの日と違い、太陽の影響が少ないお かげで、ヴァンパイア化したエルクの体 調も、楽だった。

日の光に、体力を奪われずに済む。

「でも、ラークリマ探しはいいの?

ただでさえ、国民に本当のことがバレる 前に持ち帰らなきゃなんないっていうの に」

「未来様と仲良くしたい……。

エルク様の望みなのでしょう?

ソウルメイトの話をした私にも責任があ ります。

未来様のことを知るために、彼女の生活 を覗いてみましょう。

《学校》という場所は、人の数も多いそ うですよ。

運がよければ、ラークリマを入手できる かもしれません」

エルクは勢いよくイスから立ち上がり、

「そうだな!

あれこれ悩むより、とりあえず動かな きゃな!

こうやってモヤモヤしてんの、性に合わ ねーしっ」

食器を片付けると、稔からかりた包里邸 の合鍵で玄関の施錠をし、二人は未来の 通う中学校へ向かった。