「なんだよコイツ。

ビーナスのわりに、ツンツンして可愛く ねぇな」

エルクの本音を、青乃臣がたしなめた。

「エルク様。私達は、これからしばら く、未来様のお屋敷にお世話になる身な のですよ?

これも、将来立派な国王になるための大 切な修行なのです。

未来様に対し、常に感謝の気持ちを持っ てください」

「チェッ。なんだよ。

ジョーまでそいつの味方かよ。

俺様はクロロプラスト王国の王子だ ぞ?」

「そういった言動も、この惑星にいる間 は厳禁ですよ」

「へいへい」

やる気なさげに返すエルク。


王子エルク。

執事の青乃臣。

女子中学生、未来。

今日から、三人の奇妙で不思議な同居生 活が始まったのである。

ゴールデンウイークを目前にした春。

穏やかな夕方の出来事であった。











【Ⅰ 新居先は………終】