青乃臣が言っていた例の件。
未来がそのことについて知ることになったのは 、半年後の12月になってからだった。
未来はすっかり、異世界人抜きのひとり暮らし に慣れていた。
青乃臣がウソをつくとは思えないが、学校の屋 上で彼らと再会したあの日、「いつかまた会お う」と交わした約束も、もう、叶わないのでは ないか、と、最近は諦めている。
クリスマスや冬休み、お正月。
楽しい出来事を目前にした中学1年生とは思え ないくらい、未来は浮かない顔をしていた。諦 めている一方、エルク達とまた会いたいと、彼 女は望んでいるから。
空気がひんやりして、コートを着ても指先がか じかむ。
放課後。白っぽい空を見上げ、未来は帰宅した 。
住み慣れた静かな自宅。
未来が玄関を開けると、屋敷には稔の姿があっ た。
エルク達が居なくなってから、稔は時々、こう して未来の様子を見に来るようになったのだ。
「ただいまー」
早くエアコンの温風であたたまりたい。稔への 挨拶はそこそこに、未来は自室に行こうとした が、稔がそれを止めた。
「未来! サプライズじゃぞ、サプライズ!」
寒さで冷えた未来の背中を押し、稔は言った。
「やっぱり、信じる者は救われる! これに尽 きるのぅ!
さぁさ、未来もこっちに来るんじゃ!」
日頃から好奇心旺盛な祖父ではあるが、こうも テンションの高い稔を見るのは久しぶりである 。
未来は、「なんなの、おじいちゃん」と迷惑そ うな顔をしつつも、稔に案内されるがまま、リ ビングに向かった。


