ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


エルクはガックリ肩を落とし、

「おい、ジョー。さっきから、失敗失敗って、 何回言うんだよ。

いくらなんでも、いい加減立ち直れなくなりそ うなんだが」

「エルク様。魔術講座のテキストに書かれてい たことを思い出していただけますか?

魔術を失敗してしまう一番の理由。それは、魔 術師の精神統一が不完全な時。あるいは、他に 対する想いが強く、魔術エネルギーの流れを阻 害してしまう場合、です。

未来様、エルク様はいま、国民の方に依頼を受 け、その方のソウルメイト探索を任されていま した」

青乃臣は、ここに来ることになった経緯を、未 来に話した。

「エルシュ様のソウルメイトは、日本に居るこ とが判明しました。

エルク様は、エルシュ様のソウルメイトに会う ため、こちらに空間転移しましたが、行き先を 間違えてしまったのです。

その理由は、未来様、あなたにあります」

「未来に?」 「なんで私が?」

エルクと未来の、質問ボイスがかぶった。

青乃臣は、サクッと答える。

「エルク様は、未来様に会いたいと、強く願っ てしまったのではないでしょうか。それも、無 意識のうちに。

そういった想いの力は、強くなればなるほど、 魔術の失敗を招いてしまいます」

目的地がズレたとはいえ、エルク達が無事にこ こへ来ることができたのは、青乃臣がとっさに フォローしたおかげだが、青乃臣はそうとは言 わず、言葉を継いだ。

「エルシュ様のソウルメイトが日本に居ること はたしかです。しかも、ここから近い場所に。

エルク様、これからその方に会いにいきましょ う。

アムド城で、エルシュ様がお待ちしています」

「えっ、もう行くのか!?

もうちょっとだけ、いいじゃん……。せっかく 未来に会えたんだし」

エルクはじゃっかん抵抗し、未来を見る。