50メートルほど上に浮かんでいた光は、ゆっく りと屋上に沈む。光が消えると、そこにはエル クと青乃臣がいた。
一生忘れられない顔見知り。異世界に住む、王 子と執事。
「ちょっと、なんで…!?」
未来は唇を小刻みに震わせ、驚きをあらわにし た。いま、他の生徒が屋上(ここ)にいなくて よかったと思う。
二度と会えないと思っていた異世界男子二人と 、こんな形で再会してしまい、未来は、どんな リアクションを取ればいいのか、すぐには判断 できなかった。
一方、エルクと青乃臣もそれは同じみたいで、 「なんで、ここにいるんだ、自分達は」という 顔をしている。
青乃臣達は、たった今、アムド城で、ソウルメ イト探索魔術を使っていたのだ。先日訪ねてき た老人エルシュのために。
本来なら、魔術に長(た)けてい る青乃臣が、エルシュのソウルメイト探索を担 う。しかし、今回に限っては違った。
ほんの数日間の特訓で魔術を使えるようになっ たエルクが、無理を言ってソウルメイト探索魔 術を使いたいと言い出したのだ。
普通の人ならば、魔術初心者のエルクにソウル メイト探索など頼まないものだが、好奇心旺盛 で楽天的なエルシュは、面白半分でエルクがソ ウルメイト探索を担うことに賛成してくれた。
それは、やはりと言うべきか、失敗してしまっ たらしい。
成功していれば、エルシュのソウルメイトが住 む土地に到着しているはずで、こんなところに は居ないからだ。
わけのわからない現状に固まるエルクと未来を 見て、青乃臣は挨拶と同時に微笑した。
「未来様、お久しぶりですね。お元気そうでな によりです。
あ。エルク様の探索魔術は、失敗されてしまっ たようですね」


