エルクがそこまで話す頃には、会場も静まり、 誰もが思案を巡らせているようだった。
エルクは深呼吸をすると、横の青乃臣をいちべ つし、
「私は、ソウルメイトと出会わせてくれた青乃 臣に感謝しております。
ここは、ラークリマにより平和の保たれている 、素晴らしい国です。そんな、良くも悪くも起 伏のない日常は、時にひどく寂しいものに感じ てしまう……。
私は、ひとりでも多くの国民の皆様に、ソウル メイトとの出会いを体験していただきたいと思 っております。
楽しい時も、つらい時も、嬉しい時も、悲しい 時も、ソウルメイトは、自分の知らないところ で、懸命に毎日を生きています。そんな姿に、 こちらは励まされ、生き生きとした気持ちにな ることができます。
明日から、アムド城の魔術訓練場を一般解放し 、青乃臣の監視の元、国民の皆様に対しソウル メイト探索魔術講座を始めさせていただきます 。訓練場は、およそ200名の方が入れるように なっておりますし、託児所も併設しております ので、お子様連れの方もお気軽に見学にいらし てください。
参加は自由です。受講料は、向こう1年間は無 料とし、その後は、各々の収入により徴収額を 調整する予定です。
私も、ソウルメイト探索魔術の習得を目指して 、今日から魔術の勉強をします。いつか、青乃 臣のお手伝いができるようになりたいので。
ソウルメイト探索魔術にご興味のある方は、ア ムド城の魔術訓練場までお越し願います。
この件に関し、お電話やメールでのお問い合わ せをしたい方は、こちらのパンフレットに記載 してある通り、アムド城ソウルメイト探索魔術 課の内線かメールアドレスまでご連絡下さいま すよう、お願いいたします。
パンフレットは、本日午後より各家庭に郵送さ せていただきますが、アムド城エントランス内 でも無料配布しておりますので、いつでもお気 軽にお越しください。
これにて、私、エルクの会見を終わらせていた だきます。
ご清聴、ありがとうございました」
しんと静まりかえる記者会見会場アムド城城門 前。
エルクと青乃臣は同時に礼をし、そっと城内に 戻った。


