ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


「突然このような発表をすることになり、国民 の皆様を混乱させてしまったのだと思うと心苦 しいばかりですが、どうか、私の話を聞いてく ださい」

エルクは、話した。

未来との出会いや別れ。

彼女と同時に見た前世の夢を。

「私のソウルメイトは、13歳の女性でした。

彼女は、ここスアンとは違う、地図にも載らな い惑星に……。異世界に住んでいます」

人々のどよめきは大きくなったが、エルクはか まわず続けた。

「私は、ソウルメイトの女性に対面するまで、 王子という立場から逃げたいと思っていました 。

来る日も来る日も、どうやって逃げ出そうか… …。そればかり考えていて。自由になりたかっ たのです。

けれど、ソウルメイトの女性に会い、彼女の私 生活や彼女の住む国のことを聞いて、考えが変 わりました。

大切なものはここに…クロロプラスト王国にあ ると。

状況を受け入れるだけで、不満を言うだけだっ たことを。

自分の力を信じて、生き方を変えようと、私は 決めました。

その第一歩が、ソウルメイト探索禁止法の廃止 なのです。


……強制はいたしません。中には、ソウルメイ トになど会いたくない、前世には興味がない、 そう考える方もみえると思います。

ただ、私がそうだったように、ソウルメイトと の出会いを通して前世の自分を知れば、おのず と、今の悩みを解決する糸口が見えてきます。

平和な国でも、悩みはある……。ほとんどの方 はそうではないでしょうか。

これから、倒壊した街の復興をしていかなくて はなりません。そんな中、不安を拭えない日も やってくるかもしれません。

そんな時、ソウルメイトと対話をすれば、生き る力が湧いてくるかもしれない。

復興を果たして憂(うれ)いがない世の中にな っても、ソウルメイトとの出会いは、国民の皆 様にとってかけがえのない宝物になると、私は 考えております」