ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


エルクの説明にホッとしつつも、記者はまだ不 安そうに、

「そうですか……。しかし、なぜ、そんな面倒 なルールを設けてまで、ソウルメイト探索にこ だわってみえるのですか?

私達クロロプラストの民は、溢れる自然があれ ば平和に暮らしていけます。

ソウルメイトなんて、必要ないじゃないですか …!」

青年記者の言い分はもっともだ。エルクも以前 は、そういう考えだった。だが、今は違う。

エルクはそばにいる青乃臣のそばにいくと彼の 背を押し、自分の横に立たせた。

「私は先日、この青乃臣の魔術で、ソウルメイ トに会いました。

青乃臣は、ソウルメイト探索魔術を習得してお りますし、城内でソウルメイト探索関連の指揮 監督をするのに、不足のない人材だと自信を持 って言えます」

エルクの発言は、人々をさらに困惑させた。

青年記者は、エルクと青乃臣を交互に見やり、

「それでは、そちらの執事は法律違反を犯した 、ということになりますよね!

お言葉ですが、エルク様をはじめ王家の皆様は 、執事の悪事を見逃すために、ソウルメイト探 索禁止法を廃止するおつもりなのではないです か!?」

「断じて違います」

エルクは言った。

「ソウルメイト探索禁止法を廃止すると決めた のは、青乃臣の罪を問わないためではありませ ん。

国民の皆様に、ソウルメイトの存在を知ってい ただきたいのです。

もちろん、ソウルメイトは、全ての人に存在す るわけではないですし、昔のように、悪事を働 けるほど多数存在する者ではありません。

私も、自分がソウルメイトに出会う前までは、 こんな感覚を知りませんでしたが、ソウルメイ トの顔を見て初めて、今までの自分を振り返る ことができたのです。

ソウルメイトが存在するのは幸せなことであり 、もし自分のソウルメイトに出会えたのなら、 貴重な体験となるに違いありません。

前世で自分と同じ魂を分かち合い、 似たよう な嗜好(しこう)を持つ人間に出会うと、自分 の前世を夢に見るのです」