ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


原因不明の自然災害。

国民達は皆、エルクは悪くないと思っていた。

また、エルクも、立場上、ラークリマ騒動の詳 細をここで語るわけにはいかなかった。

カンタスターレがラークリマを持ち逃げしたこ とは、あくまで城の人間だけが知ること。国民 に知られるといらぬ混乱を招くので、黙ったま ま終わらせた方がいいとカンタスターレが判断 したのである。

エルクはそれに納得した上で記者会見に臨んで いた。もちろん、日本で過ごしたということも 、口外していけない。

「私の至らなさが原因で、今回も対応策が取れ ませんでした。

今後は、このようなことがないように、不肖( ふしょう)エルク、務めさせていただきます。


……そこで、今日は皆様に、私から重要なお知 らせがございます。

我が国に制定されております、『ソウルメイト 探索禁止法』を、廃止させていただくことにな りました。

国民の皆様のご意見を聞かず、独断で話を進め てしまいました。決定事項で、変えるつもりは ございません」

エルクの発表に、静かに話を聞いていた国民や 取材陣はざわつき始めた。

若い青年記者が、エルクに質問しながらマイク を向けた。

「エルク様、それはいくら何でも横暴ではあり ませんか!?

自然災害がおさまったとはいえ、そんな時期に ソウルメイト探索魔術の利用を許したら、昔の ようにそれを悪用し、荒稼ぎを企む者が出てき ます!」

「それについては、ご心配ありません」

非難気味な記者の口ぶりに一切動じず、エルク は答えた。

「あなたのおっしゃる通り、ソウルメイト探索 魔術は、悪用されると危険であり、負の遺産を 連鎖的に生み出す可能性が高いです。

ですから、ソウルメイト探索魔術の利用場所を 、アムド城内だけと定めます。それ以外の場所 で、ソウルメイト探索魔術を習得したり使用す ることは一切禁じます。

幸い、私の執事は、現役の魔術師として高い能 力をもっております。彼に、ソウルメイト探索 に関する全ての指揮監督をさせようと考えてお ります」