青乃臣の指導の元、なんとか完成したお好み焼 き。
エビや豚肉、イカ、そして、タネにとろけるチ ーズを入れたおかげで、香ばしい匂いがダイニ ング一杯に広がった。
こんがり焼きあがったお好み焼きにソースをま んべんなく塗り、青のりをかけ、かつおぶしを 大盛りにする。
「夢で見た通りの出来栄えだな!」
湯気を立てるお好み焼きを前に、エルクは食欲 が増すのを感じた。
エルクと未来が前世の夢を見た時の雰囲気、そ のままの食べ物だ。
未来も、まんざらではなさそうな顔をし、
「うまくできたじゃん! 今日、こうして作っ てみるまでは、お好み焼きって店で買わないと 食べられないものだと思ってた」
三人おそろいのマグカップに、買ってきたペットボトルの緑茶を注ぐ青乃臣。
「いっただっきまぁす!」
焼きあがったお好み焼きを、エルクが不器用な 手つきで率先して切り分けると、それぞれが焼 きたてのお好み焼きを口にした。
「おいしいです!」 「手作り最高!」
青乃臣と未来の、明るい声がかぶる。
「俺様と未来は、前世で、毎日毎日、これを作 ってたんだなぁ……」
味わいつつも、エルクは感慨深くつぶやいた。
「そういえば…」
エルクは思い出したかのように箸を置き、未来 に言った。
「あいつも呼べばよかったな!
ジュリ、だっけ? 買い出しの時に会った奴」
波崎樹里のことを言っているらしい。
未来はやや驚き入った顔で、
「さすがにまだ、そこまで仲良くないし」
と、抵抗感をあらわにし、こう付け足した。
「それに、樹里ちゃんはいま、部活休まなきゃ ならないほど肩を痛めてるみたいだし、たとえ 仲良かったとしても誘いづらいって」


