自分のために時間を使ったことのない青乃臣は 、すぐに答えられなかった。
そうでなくとも、エルクがしたいことを優先さ せるつもりだった彼は、
「私はどのような場所でも大丈夫です。
エルク様、何かございますか?」
しばらく考えた後、エルクはいつになく真剣な 表情で未来を見た。
「行きたい場所はたくさんある。
日本のことよく知りたかったし……。
でも今日は、ここでお好み焼きパーティーしな いか?」
「お好み、焼き!? 別に、今日じゃなくても 」
未来は目を丸くした。
「今日じゃなきゃ、ダメなんだ!」
エルクは強い口調になる。彼の瞳は正直で、悲 しみがにじんでいた。
「俺様と未来が、前世で作ってた平べったい焼 き物、食べてみたいんだ。
実は、さっきジョーに材料を用意させた」
エルクが指さした先。ダイニングのテーブルには、青乃臣が買ったお好み焼きの材料が用意されていた。


