しょんぼりするあまり、エルクの手は止まった 。
「ふふっ。エルク様は、素直な方ですね」
青乃臣は朗らかに言った。
「帰還したら、日本のファッションを国で流行 らせてみてはいかがですか?
エルク様の宣伝とあらば、国民の方も興味を示 すでしょう。
未来様と過ごした日々を忘れたくない。だから 記念に持ち帰る。
そういう心情も悪くありませんが、どうせなら 、楽しく思い出に浸りたいですしね」
青乃臣は努めて明るく話していたが、エルクの 表情は沈んだままだった。
「今夜、ちゃんと未来とバイバイできるかな… …?」
「おつらいようでしたら、無理に別れの言葉を 告げる必要はありません。
一言、感謝の意を述べるだけで充分ですよ。
そして、心ゆくまで未来様とお話をしてくださ い」
「そうだな……!」
残されたわずかな時間。
エルクは、最高の時を未来と過ごそうと決めた 。


