「頼むよ、親父!
クロロプラストのことが心配なのも分かるけど 、未来にはちゃんと礼を言って別れたいんだ! 」
エルクは、青乃臣の横で土下座した。
「頼むよ! 親父……!」
「そう言われてもな……。ううむ……」
カンタスターレは、頭を下げる息子と執事を見 て戸惑い、しばし考え込んだ。
反対意見を主張する青乃臣も記憶にないし、こ んなに必死になるエルクを見たのも初めてだ。
土下座など、以前のエルクならしなかったこと 。プライドの高い彼がここまでするなんて。
妻は、エルクを出産後すぐに亡くなった。
その影響もあるのだろうか、息子を溺愛してい るカンタスターレにとって、エルクの頼み事を 断るのは新手の拷問(ごうもん)のごとく感じ られた。


