カンタスターレは渋い顔で青乃臣に詰め寄る。

「周りの者に比べ優秀な魔術師だとは思ってい たが、少々、甘く見すぎていたようだ。

まさか、ソウルメイト探索の魔術を使えるとは な……。

お前は、私の息子を犯罪者にするために魔術師 になったのか?」

「そんなつもりはございません!

カンタスターレ様がそうお疑いになるのはごも っともです。

しかし私は、エルク様のために、クロロプラス ト王国のために、ソウルメイト探索魔術を使い ました。

崩壊しつつある国を見て、こうするほかないと 判断したのです……!」

ラークリマを持ち逃げしたカンタスターレ。

いち執事でしかない青乃臣は、国王の悪行を責 める権限など持っていないため、そう主張する のがやっとだった。


また、カンタスターレも、青乃臣が根っからの 裏切り者だとは思っていない。

ではなぜ、カンタスターレはこんなにも神経を 尖らせているのか。

その理由は他のことにあった。