青乃臣は口をつぐんだ。

彼は、エルクを連れて日本に来た時、す ぐさま、自分とエルクに魔術シールドを 張り巡らせていたのだ。

というのも、クロロプラストの人間に、 地球に来たことを察知されないためであ る。

ラークリマを入手できるその日まで、エ ルクや自分が国に連れ戻されるのを防が なくてはならなかった。

なぜ青乃臣がそんなことをしたかという と、彼は、クロロプラスト王国の法律を 破ったからである。

現在、クロロプラスト王国には《ソウル メイト探索禁止法》という法律がある。

最初、エルクが指摘していた通り、ラー クリマ入手のためとはいえ、エルクと未 来を引き合わせた青乃臣の行動は、法律 違反に当たる。

カンタスターレは、そのことに腹を立て ているのだ。

カンタスターレは、国王であり上級魔術 師でもある。

その能力は、高等魔術師の資格を持つ青 乃臣以上に優れている。

青乃臣が張った魔術シールドが邪魔をし て多少時間はかかったが、魔術を使って エルクの居場所を突き止めるのも、カン タスターレの実力ならたやすいことだっ た。