“バカ! なんてことを!
まだ話しかけるって決めてないのに!”
未来の心の声は、あいにくエルクには届かなか った。
初対面からフレンドリーなエルクに、樹里はす ぐになじんだようだ。
「エルク君か。変わった名前だね。
でも、どうして私のこと知ってるの?」
「えっと、それは……」
学校に忍び込んで未来の日常を観察していたな んて言えない。
考えなしのエルクもそれだけは理解しており、 助けを求め、背後の未来を見つめた。
未来はうんざりした顔で、
「何も考えずに動くからだよ!」
未来はあえて、素のキャラクターのまま樹里の 前に出て行った。
あれこれ考えているヒマはなかったし、休日に 猫をかぶるのも面倒に感じたのである。
学校での態度とずいぶん違う未来を見て、樹里 は戸惑った。
「未来、だよね?」
「そうだよ。今は休みモードだから、こんな感 じ」
もう、どうにでもなれ!
未来は腹をくくった。


