「まあ、お前はそうかもしんないけど、 向こうはそんな風に思ってないかもよ? 」
エルクは言ったが、未来は首を横に振り 、いっこうに動こうとしなかった。
「連休中くらい、私は自由にのびのび過 ごしたいの。
こんなとこでクラスの人に会うなんて思 わなかったし……。
学校内限定の八方美人キャラは封印中だ し、出て行きづらいの!」
そう言いながらも、未来は樹里のことが 気になった。
学校ではいつも、夏の太陽のように明る い樹里。
なのに、今日の彼女は、心なしか憂鬱そ うな面持ちをしている。
樹里は日頃から、こうして妹を連れてス ーパーまで買い出しに来ているのだろう か?
「こんな朝早くに、なんでこんなとこに いるんだろ……。
普通、買い物は親がするんじゃない?」
「そんなに気になるんなら、あれこれ考 えてないで声かけてみりゃいいじゃん」
言うなりエルクは、樹里に声をかけてい た。
「なあ。お前、未来の友達だろ?」
見知らぬ少年にいきなり声をかけられ、 樹里は驚いていたが、
「そうだけど、君は誰?」
案外自然に、エルクと会話をしはじめた 。


