不自由な王子生活を不満に思いつつ、クロロプ ラスト王国は、エルクにとって大切な場所に違 いない。
けれど彼は、今すぐ国に帰りたいとは思わなか った。
それというのも、日本(ここ)には未来がいる からだ。
「そうと決まれば、私の中にあるラークリマを 一刻も早く入手して、クロロプラスト王国でい ろんな手続きをしなきゃね。
って言っても、ラークリマの出現条件が分から ないから厄介なんだけど」
未来は言い、スタスタと先を行く。
エルクは立ち止まり、彼女の背中に言った。
「お前のこと、単なるソウルメイトだと思って たのに、今は違う。
俺様は、ここを離れたくない」
静かな雨の中。
エルクの声は、未来の耳にはっきりと届いた。
「なんで?」
未来は不思議そうな顔でエルクを振り返る。
「王子をやるのが嫌だからってわけじゃないぜ 。
俺様は、これからもずっとお前のそばにいたい んだよ。
このままラークリマを入手できなくてもいいっ て思うくらいな」
照れを隠すように、エルクは苦笑した。


