エルクは大きく深呼吸をし、
「それに比べ、俺様はどうだ?
生まれた時から決められた場所で勉強を強いら れ、外出先も決められてて、話す相手も限られ てて。
『不公平だ』って、思わずにいられなかった。
不満だらけだったんだよ、王子でいることは。
腹が立つたび、この国なんか失くなればいいっ て叫んでた。
城のみんなは、困った顔して俺様をなだめてき たけど、ちっとも満たされなかった。
……親父は、そんな俺様に絶望したんじゃねぇ かな。
跡継ぎになるなら、俺様とは真逆の………そう だな。ジョーみたいに従順で賢いヤツの方が安 心だろうし」
「だったら変えてやればいいじゃん、アンタが 」
「え……?」
何のことか分からず、エルクは気の抜けた声を 出した。


