ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐


未来はギョッとした。

横のエルクから、表情という表情が消えている 。

「んなわけないじゃん。

どうしてそんな極端な答えを出すかな。

雨がジメジメして憂鬱っぽく見えるから、キャ ラに合わない悲観的なオーラ出すのやめてくれ ない?」

未来はからかうような口ぶりでエルクの考えを 否定した。

一緒に住むようになって初めて見た、エルクら しくない暗い表情。

どうしていいか分からず、未来は戸惑った。

「俺様だって、好きでこんなこと考えついたわ けじゃねぇよ。

お前に指摘されて気付いたんだ」

エルクはエルクで、必死だった。

未来を説得させる勢いで、熱く語る。

「だってさ、未来の言う通りなんだ。

親父はそれなりに頭よかったし、俺様の何倍も いろんなこと知ってたし、国民のことを大切に 考えてた。

まさに、国王にふさわしい、器の大きい人間だ ったんだ。

そんな親父が、ラークリマを持ち逃げした理由 は、考えてみればひとつしかない。

俺様みたいに役立たずな息子に跡を継がせるの が嫌になったんだ。

だから親父は、ラークリマを持ち逃げした。

そう考えたら、何もかも自然なんだよ。

国を捨てるつもりでそんなことしたんなら、ク ロロプラスト王国が今後どうなろうと、親父に は関係ないわけだし……」

「たしかに私も、アンタの親父の行動には疑問 しか感じないけど、私の考えが正しいとは限ら ないし……」

失言だったかもしれない。

未来は自分の言葉を取り消そうとしたが、エル クの無表情は変わらなかった。

「もし本当に、親父が国を捨てたんだとしても 、俺様は責めるつもりない。

分かるんだよ。親父がそうなっちゃうの。

俺様みたいにやる気のない息子が跡継ぎなんじ ゃ、将来がかなり不安だったろうし……」